この空前のくせ毛ブレイクの背景には、ポップカルチャーとメディアの強い影響が存在する。とりわけ大きな転換点となったのが、俳優の菅田将暉が主演を務めた映画『ミステリと言う勿れ』だ。彼が演じた主人公・久能整のアフロヘアに近いボリューミーな天然パーマスタイルは、従来の「ストレートヘア=正義」という固定観念を根底から覆した。
映画のヒット以降、若者を中心に「天然パーマの持つ重厚感や個性をそのまま表現することがかっこいい」という美意識が定着。かつては縮毛矯正で押し潰されていた髪質が、スクリーンの中で圧倒的な存在感を放つカルチャーのアイコンへと昇華したのだ。