自作派が例外なくぶつかる最大の難所、それが「レーンチェンジャー(LC)」だ。周回ごとに走るレーンを入れ替える立体交差構造は、ミニ四駆ジャパンカップをはじめとする公式レースでも幾多のマシンをコース外へ葬り去ってきた「魔物」である。ここを自作コースでどう再現するかが、全体の完成度を左右する。
多くの初心者が失敗するのは、登り勾配とカーブを同時に処理しようとして壁面の剛性を失う点にある。高速で飛び込んできたマシンは、強烈な遠心力と上方向への浮力によってコース左外側へすっぽ抜けようとする。これを抑え込む裏技が、側壁上部への「2ミリの返し(インフェンス)」と「バンク角3度の意図的な内傾斜」だ。
登り坂の頂点から下りへ差し掛かる約30センチの区間だけ、外壁の上端にアクリル板の端材や厚手プラスチック板を庇(ひさし)のように張り出す。さらに、路面下部に薄いゴムシートを挟んでコース全体をわずかに内側へカント(傾斜)させる。このわずかな工夫だけで、マシンはスラスト角を失わずに壁へへばりつき、コースアウトを劇的に防ぎながら本番さながらの挙動を再現できる。