Q1:現代の皇室でも「殯(もがり)」は行われているのですか?
A1:現代の皇室でもその精神と伝統は継承されています。天皇が崩御された際、本葬である「大喪の礼(たいそうのれい)」が執り行われるまでの約数週間にわたり、皇居宮殿内に「殯宮(ひんきゅう)」が設けられ、連日「殯宮祗候(ひんきゅうしこう)」などの厳粛な伝統儀礼が執り行われます。
Q2:殯はなぜ歴史の中で廃止・縮小されたのですか?
A2:最大の理由は仏教の伝来と火葬の普及です。700年に僧侶・道昭が日本で初めて火葬され、702年に持統天皇が崩御した際にも火葬が採用されたことで、遺体を長期安置して白骨化を待つ物理的必要性が失われました。さらに、長期の殯による国家財政の圧迫や衛生上の問題から、律令法規によって期間が大幅に短縮されました。
Q3:一般的な家庭の「通夜」は殯とどうつながっていますか?
A3:通夜の語源である「夜を通す(終夜、遺体のそばで過ごす)」行為は、殯の期間中に親族が夜通し遺体に寄り添い、飲食を供にして魂の蘇生を祈り、悪霊の侵入を防いだ夜会(やかい)の風習が、火葬の前夜というごく短い形に凝縮されて残ったものです。