池井戸潤作品の真骨頂といえば、正義の主人公たちを徹底的に追い詰める「強烈な悪役(ヒール)」の存在です。『下町ロケット』シリーズでは、名優から異色のキャスティングまで多彩なキャストが悪役を怪演し、SNS上では放送のたびに怒りと称賛の声が飛び交いました。
作中で強いインパクトを残した主な悪役キャストは以下の通りです。
【第1期:ロケット編・ガトリング編】
・世良公則(貴船恒広役):アジア医科大学教授。権威主義に凝り固まり、患者の命よりも自らの名声を優先する冷酷な医師。
・小泉孝太郎(椎名直之役):サザンクロス社社長。佃製作所を敵視し、容赦ないコストカットと情報戦で追い詰める冷徹なライバル。
・石井一孝(石坂宗典役):帝国重工調達部長。下請けを見下し、露骨な嫌がらせを行う大企業の典型的な官僚肌。
【第2期:ゴースト・ヤタガラス編・特別編】
・神田正輝(的場俊一役):帝国重工取締役。次期社長の座を狙い、財前のロケット計画を潰そうと暗躍する冷徹な権力者。
・小籔千豊(田村大造役):ダーウィン陣営につく知財弁護士。嫌味な弁舌と屁理屈で佃製作所を法的に追い詰める。
・古舘伊知郎(伊丹大役):ギアゴースト社長。恩人を裏切り、復讐心から巨大な利権闘争へと突き進む複雑なヒール。
・春風亭昇太(水原重治役):帝国重工宇宙航空開発部長。事なかれ主義で権力にへつらう保身のスペシャリスト。
彼らが徹底して「憎まれ役」に徹したからこそ、佃製作所が逆転劇を果たす瞬間のカタルシスが倍増し、ドラマのエンターテインメント性が最高潮に達したことは間違いありません。