療育手帳の申請手続きは、市区町村の福祉担当窓口へ申請書類を提出した後、児童相談所や更生相談所での面談・検査を経て判定結果が通知されます。しかし、申請を行っても「非該当」と判定されたり、次回の更新時に「判定落ち(手帳返還・等級降格)」となったりするケースが存在します。
現場取材および当事者の相談事例から明らかになった、主な落とし穴と不認定理由は以下の通りです。
落とし穴1:検査当日のコンディションと数値のブレ
検査当日に本人が過度な緊張から実力を発揮できないケースがある一方、知能検査の課題に強い興味を示して偶然高いスコア(IQ 76以上など)を叩き出してしまうことがあります。自治体の規定基準値を1ポイントでも上回ると、機械的に非該当判定とされるリスクが高まります。
落とし穴2:家庭内での「親の先回り支援」による適応困難の過小評価
判定面接の際、保護者が「家では声かけをすれば自分で着替えられます」「身の回りのことは一通りできています」と答えてしまうケースです。家庭内の構造化された環境下で親が細かく先回りサポートしている実態が伝わらず、「日常生活能力に問題なし」と評価されて手帳の対象外となる事態が起きています。
落とし穴3:18歳の壁と成人後の更生相談所による再判定
療育手帳には有効期限(2年〜数年ごと)が設定されており、特に18歳到達時の更新審査は厳格化する傾向があります。小児期に受けていた手帳であっても、成長に伴い言語理解や身辺自立が進むと、成人判定の窓口である障害者更生相談所で「知的障害の定義に該当しない」と判断され、更新不可となる事例が相次いでいます。