万が一、山中で熊の鳴き声や威嚇サインを察知した場合、人間の本能に従った行動を取ると致命的な結果を招きます。最新の野生動物対策指針に基づく、生死を分ける初動手順を解説します。
【ステップ1:絶対に大声を出さず、走って逃げない】
悲鳴を上げたり、パニックになって背中を向けて疾走することは厳禁です。熊は逃げるものを反射的に追いかける捕食本能を有しており、時速50km以上で走る熊から人間が走って逃げ切ることは不可能です。
【ステップ2:熊の方向を視界に捉えながら、静かにゆっくり後退する】
目を合わせ続けずに(直視は挑発とみなされるリスクがあるため、視界の隅で熊の挙動を捉えつつ)、ゆっくりと一歩ずつ後ずさりします。障害物(大木や岩)を自分と熊の間に挟むように移動するのが理想的です。
【ステップ3:熊撃退スプレーのセーフティクリップを解除する】
熊スプレーを携行している場合、即座にホルスターから抜き、親指で安全ピンを外して両手で構えます。有効射程(約5〜8メートル)まで引き付け、風向きを考慮しつつ顔面・鼻先を狙って噴射します。
【ステップ4:突発的な接触時はクビと頭部を守る防御姿勢(タートルポーズ)】
万が一突進され、スプレーも間に合わない至近距離で襲撃を受けた場合は、うつ伏せになって地面に密着し、両手で首の後ろを固くガードします。リュックサックを背負っていれば背中を守る盾になります。急所である頸動脈、顔面、腹部を守り抜き、致命傷を防ぎます。