返信ハガキを手にして最初に直面するのが、「敬語の削除」という独特の日本文化です。招待状のハガキには、新郎新婦側からゲストへの敬意を込めて「御出席」「御芳名」「御住所」と、あらゆる項目に丁寧語・尊敬語の「御」が印字されています。これらを自分自身へ向けられた敬称のまま返送することは、相手への敬意を欠く重大なマナー違反とみなされます。
最も確実で美しい結婚式返信ハガキ書き方の鉄則は、相手が自分につけてくれた敬称を自ら削り落とす作業にあります。基本となる結婚式返信御芳名消し方では、「御芳名」の「御芳」の2文字を縦の二重線で真っ直ぐ消し、末尾の「名」だけを残して自分の名前を記入します。「御住所」であれば「御」の一文字だけを二重線で消します。フリーハンドで引くよりも、15センチ程度の透明な定規を当ててまっすぐ二重線を引くだけで、受け取った新郎新婦に清潔感と誠意がはっきりと伝わります。
出席を伝える際は、「御出席」の「御」を二重線で消したうえで、「出席」の二文字を丸で囲みます。ここでワンランク上の気配りを見せるなら、丸で囲んだ「出席」の前に「慶んで(喜んで)」、後ろに「させていただきます」と手書きで書き添える作法が効果的です。「慶んで出席させていただきます」という流れるような一文が完成し、ハガキ全体が温かな祝福のメッセージへと昇華します。
筆記具の選択も極めて重要です。基本は結婚式返信ペンボールペン筆ペンのいずれかを用いますが、色は必ず「濃い黒」を選びます。格式の高い場では毛筆やフェルトタイプの筆ペン、万年筆が理想的とされますが、書き慣れていない場合は黒の油性ボールペンやゲルインクボールペン(0.5mm〜0.7mm程度)で丁寧に書くのが賢明です。薄墨(不祝儀用)や青・赤インク、そして摩擦熱で文字が消えてしまうフリクションペンは郵便事故の原因となるため、絶対に避けてください。
「寿消し」のやり方と現代における本当の評価
ネットやSNS上で頻繁に見かけるのが、二重線の代わりに赤い筆ペンで「寿」と書いて文字を打ち消す「寿消し」と呼ばれる手法です。結婚式返信寿消しやり方としては、敬称である「御」や「御芳」の上に、鮮やかな赤や朱色のインクで「寿」の文字を上書きし、お祝いの文字でおめでたく隠すという古くからの遊び心とされています。
伝統的な儀礼を重んじるマナー研究者やブライダルプランナーへの取材によると、寿消しは「親しい友人や同僚の間柄であればお祝いムードを盛り上げる演出として喜ばれる」一方、目上の上司や親族、格式を重んじる家柄の挙式では「文字が潰れて読みにくく、悪目立ちする」「かえって雑然とした印象を与える」と受け止められるケースが少なくありません。二重線による消去こそが全世代に対して最も隙のない公式マナーであり、迷ったときはシンプルな二重線を選ぶのが賢明な大人の立ち振る舞いです。