強い揺れを検知した直後、日本の主要交通インフラは自動安全制御プロトコルへと移行します。JR各社が運用する「早期地震検知警報システム(ユレダス等の早期検知網)」は、線路沿線や海岸部に設置された地震計が設定値(概ね80〜120ガル以上)を検知すると、即座に変電所からの送電を停止し、新幹線・交通機関運行状況を自動制御下で緊急停止させます。
新幹線および主要在来線では、地震発生直後に一時全線での運転見合わせ措置が取られます。送電停止による停車後、保線員による線路・架線・高架橋の目視点検(徒歩巡回および試験走行)が完了するまで、運転再開には数時間を要することが通例です。高速道路においても、震度5弱以上を観測した区間では速度規制や緊急点検のための通行止めが順次実施されます。
一方、停電・ライフライン被害情報に関しては、送配電ネットワークの自動遮断機能による停電と、変電設備・電柱の物理的損壊による停電の切り分けが進められます。震度5強以上の揺れを観測したエリアでは、都市ガス各社が供給エリアごとに設置されたマイコンメーターの自動遮断作動状況を監視しており、ガス供給の自動遮断が広域で発生することがあります。
自治体から発令される避難勧告・安全確認情報や高齢者等避難の情報は、防災行政無線およびスマートフォンの緊急速報メール(エリアメール)を通じて逐次配信されます。停電下ではモバイル通信の基地局バッテリー維持限界(通常約24〜72時間)を考慮し、不要不急のデータ通信を控える省電力モードへの切り替えが求められます。