事実無根の噂がなぜ20年以上にわたって消滅せず、ネット掲示板やSNSで語り継がれてしまったのか。そこには、インターネット黎明期の掲示板文化とユーザーの心理的バイアスが深く関係しています。
2000年代初頭、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の「野球ch」や「芸能人噂板」では、有名プロ野球選手の女性遍歴に関する真偽不明の書き込みが乱立していました。立浪氏に関しては、現役時代のカリスマ的な強面イメージや名古屋球界での絶大な影響力から、「アンタッチャブルな大物」というパブリックイメージが形成されていました。
そこに、ワイドショーで「奔放な恋愛のアイコン」として扱われていた梅宮アンナ氏のイメージが結合したことで、ネット住民の間で「この二人が繋がっていたら面白い」というナラティブ(物語)の捏造と消費が始まりました。一度掲示板に投下された書き込みは、まとめサイトや知恵袋のQ&Aへと転載され、検索エンジンの関連キーワード(サジェスト)に固定化されます。
ネットユーザーの反応を時系列で追うと、「本当に付き合っていたのか?」という素朴な疑問がいつの間にか「付き合っていたらしい」という既成事実にすり替わり、真実を確認しないまま拡散が繰り返された実態が浮き彫りになります。