千代田1番1号という特別なアドレスゆえに、インターネットや都市伝説の間では荒唐無稽な俗説が絶えない。皇居の本籍地に関する噂の真相を、法規と実情に基づいて検証・論破する。
噂1:「皇居に本籍を置くと皇室の親戚になれる、特別待遇がある」
【判定:完全な虚偽】
皇室典範が定める皇族の身分と、日本国憲法および戸籍法に基づく一般国民の身分は、完全に法体系が切り離されている。皇居の地番を本籍にしたからといって、皇室行事に招待されることもなければ、宮内庁から祝電が届くこともない。法的には単なる「地番の選択」に過ぎず、社会的特権は1ミリも発生しない。
噂2:「企業の身元調査や公務員採用試験で有利に働く」
【判定:完全な迷信(むしろ逆効果の懸念も)】
採用選考において応募者の本籍地を調査・把握することは、職業安定法および厚生労働省のガイドラインによって厳しく禁止されている。万が一エントリーシートや公的書類で目に入ったとしても、人事担当者からは「奇をてらっている」「自己主張が強すぎる」「ネットのノリを公的手続きに持ち込むタイプか」と心理的な警戒感を抱かれるケースすらあり、有利に作用することはまず考えられない。
噂3:「千代田区にふるさと納税並みの税収が入り、区民サービスが良くなる」
【判定:制度上の完全な誤解】
前述の通り、地方税(特別区民税・都民税)の賦課徴収は「住民票」が置かれている自治体に対して行われる。本籍地が千代田区千代田1番1号であっても、居住地が別の自治体であれば千代田区には1円の税収も入らない。千代田区役所にとっては、むしろ戸籍管理の事務コストが発生する側の立場である。