定番シロップの中で、ひときわ異彩を放つのが青色のシロップです。自然界の果実に青い食べ物は極めて稀であり、イチゴやメロンのようにモデルとなる実物が自明ではありません。では、ブルーハワイ味の正体とは一体何なのでしょうか。
歴史を遡ると、ブルーハワイという名称は1950年代にハワイ・ワイキキのバーテンダーが考案した同名のトロピカルカクテルに端を発します。カクテルのブルーハワイは、ラム酒をベースにブルーキュラソー(オレンジの果皮から抽出したリキュールを青く着色したもの)、パイナップルジュース、レモン果汁をブレンドして作られます。
日本のかき氷シロップにおけるブルーハワイは、このカクテルの持つ「南国の爽快感と海の色」をイメージして開発された経緯があります。そのため、添加される香料の調合はメーカーによって裁量があり、完全に統一されていません。代表的なアプローチとしては以下の3系統に分類されます。
- サイダー・ラムネ系:日本人が直感的に「爽快」「清涼」を感じる柑橘・ソーダフレーバーを採用。
- 柑橘・オレンジキュラソー系:本来のカクテル処方に準じ、オレンジオイルやレモンの香料を配合。
- トロピカルフルーツ複合系:パイナップルやココナッツの微細な香りをブレンドし、南国感を演出。
緑色に着色料(青色1号+黄色4号)を使ったメロン味や、赤色(赤色102号など)のイチゴ味と異なり、ブルーハワイは「涼しげな青色」という視覚刺激に対し、清涼感のある香気成分を組み合わせた純粋なイメージ先行型フレーバーといえます。