インターネット上で囁かれる「メトキシケイヒ酸エチルヘキシルは危険」という言説の背景には、主に2つの論点が存在します。1つは「肌への刺激性・アレルギー反応」、もう1つは「内分泌かく乱作用(環境ホルモン)の疑い」です。
肌への刺激に関しては、紫外線を熱エネルギーに変換するプロセスで微細な熱感やピリピリ感を覚える人がいます。また、光によって成分が分解される際に生じる物質が原因で、ごく稀に光接触皮膚炎(光アレルギー)を引き起こす事例が皮膚科臨床で報告されています。ただし、これは特定の体質やバリア機能が著しく低下している肌で起こる現象であり、一般的な肌質の人が即座に肌荒れを起こすわけではありません。
ホルモン様作用については、過去の動物実験において高濃度を経口投与した際に生殖機能への微弱な影響が示唆された研究が存在します。しかし、ヒトが日焼け止めとして皮膚表面に塗布する通常使用において、血中に移行して全身に毒性を及ぼすレベルには達しないことが日米欧の評価機関で確認されています。国内基準を遵守して製造された市販品を使用する限り、過度な発がん性や毒性を恐れる必要はありません。