通報から現場到着までの時間は、心肺停止患者の社会復帰率を秒単位で左右する。小牧市消防本部がアップデートを重ねる救急対応マニュアルの神髄は、指令員による口頭指導(口頭CPR)の徹底と、リアルタイムな現場情報のデジタル共有にある。
動転する通報者の声を落ち着かせ、受話器越しに胸骨圧迫の手順をわかりやすく指示する。同時に、スマートフォンの位置情報を瞬時に捕捉し、出動途上の救急車へ正確な現場状況と最短ルートを送信。「救急隊が到着するまでの間に、現場にいる誰かが手を動かせるか」。マニュアルは単なる隊員の手順書ではなく、市民と救急隊が手を取り合って命を救い出すための架け橋となっている。