琉球ガラスのグラスが選ばれる3つの理由と熱湯Ngの真相

琉球ガラスのグラスが選ばれる3つの理由と熱湯Ngの真相

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琉球ガラスの歴史を語る上で欠かせないのが、第二次世界大戦後の沖縄が置かれた過酷な境遇です。焦土と化した沖縄において、ガラス職人たちは原料となる珪砂(けいしゃ)の枯渇という深刻な局面に直面しました。そこで職人たちが目を向けたのが、駐留米軍基地から大量に廃棄されていたコーラやビールの空き瓶、ジュースや薬品のガラス容器でした。

回収された色とりどりの廃瓶を溶鉱炉で溶かし直し、再生ガラスとして命を吹き込む試みが始まります。米軍のコーラ瓶からは独特の淡いオリーブグリーンが、ビール瓶からは深いアンバー(琥珀色)が生まれました。しかし、再生ガラスは原料に不純物が多く含まれ、溶融時に気泡が抜けきらないという技術的課題を抱えていました。近代ガラス製造において「気泡」や「色むら」は不良品を意味します。

この技術的欠陥を唯一無二の芸術性へと昇華させたのが、沖縄の職人たちの卓越した創造力でした。混入した気泡を「沖縄の海に湧き立つ波しぶき」や「海中のエアパル」に見立て、あえて炭酸ソーダなどを加えて気泡を均等に散らす技法が確立されたのです。1952年創業の奥原硝子製造所をはじめとするパイオニアたちが築いたこの「廃材再生の美学」こそが、現在の琉球ガラスの原点となっています。1998年には沖縄県伝統工芸品に指定され、工芸品としての評価を決定づけました。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。