美容コミュニティやSNSで長年議論される「レチノールを使うと肌が薄くなる」という言説。この噂の真相は、「表皮の最外層(角質層)は一時的に薄くなるが、生きた表皮細胞や真皮層はむしろ厚みを増す」というのが皮膚科学的な真実です。
レチノールは表皮の基底層に働きかけ、細胞分裂を活性化させます。この過程で古くなった角質が剥がれ落ちるスピードが急激に早まり、通常約28日のターンオーバー周期が短縮されます。しかし、濃度が高すぎたり塗布頻度が多すぎたりすると、未成熟で天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質を十分に蓄えていない細胞が表面に押し出されてしまいます。
結果として、外部刺激を防ぐバリア機能が崩壊し、水分が猛烈な勢いで蒸発。表皮のバリアを失った皮膚がピンと張り詰め、赤みや皮剥けを伴うビニール肌へと悪化する構造です。