『ジャガイモを食べる人々』(オランダ語:De Aardappeleters / 英語:The Potato Eaters)は、1885年4月から5月にかけて、オランダ南部のブラバント地方にある寒村ヌエネン(ニューネン)で描かれました。画面サイズは縦82cm×横114cm。それまで小さな習作ばかりを積み重ねていたゴッホにとって、初めて挑んだ本格的な群像画の大作です。
当時のゴッホは30代前半。伝道師としての道を挫折したのち、本格的に絵筆を握ってからわずか5年足らずの時期でした。牧師の父が赴任していたヌエネンの牧師館に身を寄せながら、ゴッホは織工や農民の過酷な暮らしに深く心を寄せ、何十枚もの頭部素描や手のデッサンを狂気的な密度で描き続けました。美術史において「ゴッホのヌエネン時代」と呼ばれるこの時期は、後年のパリ時代やアルル時代のような華やかさこそないものの、人間の生への執着が最も色濃く刻まれた重要な原点です。
完成したキャンバスは、現在アムステルダムのファン・ゴッホ美術館所蔵となっており、オランダ時代の作品群を集めた専用展示室の中央で、同館の象徴的な至宝として世界中からの来館者を迎えています。