食材としてのポテンシャルを正しく引き出すために、一般的なほうれん草との違いを数値と構造から客観的に把握しておきましょう。
表のデータからも明らかなように、決定打となるのはちぢみほうれん草の茹で時間の短さです。深鍋にたっぷりのお湯(2リットル以上)を沸騰させ、湯量の1%の塩(小さじ2〜大さじ1程度)を加えます。塩を入れることで沸点がわずかに上がり、葉緑素(クロロフィル)の発色を鮮やかに保つ効果が得られます。
沸騰したら、まずは根元部分だけを湯に沈めて約20秒。太い株元の繊維に熱を通します。続いて全体を倒し入れ、葉全体が湯に浸かった状態で10〜15秒だけ泳がせます。トータルの加熱時間はわずか30〜35秒程度。葉の色が鮮やかなエメラルドグリーンに変わった瞬間に、迷わずザルへ引き上げてください。
引き上げた直後に冷水(氷水が理想)へと落とし、急速に冷まします。これを怠ると余熱で火が通り過ぎ、食感が損なわれてしまいます。ただし、水の中に浸けたまま放置すると今度は浸透圧で旨味と甘みが抜けてしまうため、粗熱が取れたら数十秒ですぐに取り出し、両手で根元から葉先に向かって優しく水気を絞りましょう。