医学・靴製造(フットウェア・エルゴノミクス)の世界では、足先(前足部)の形状は明確に3つの基本タイプに区分されます。日本人の足の指の長さ平均や骨格の分布を把握することは、自身の足に最適な環境を整えるための出発点となります。
第1趾(母趾)が最も長く、小趾に向かって斜めに滑らかな傾斜を描くのがエジプト型です。日本人の約70〜75%を占める最頻出の足型であり、草履や下駄といった伝統的な履物文化にも親和性の高い骨格構造を持っています。親指が長い人の特徴として、歩行時の蹴り出しを母趾球で力強く行える利点がある反面、靴先の内側へ集中する圧力を最も受けやすい構造を抱えています。
第2趾(人差し指)が最も長く、母趾や第3趾(中指)よりも前方に突き出しているタイプがギリシャ型です。子ども靴メーカーや整形外科の追跡データによると、日本人における割合は約20〜25%にとどまりますが、欧米諸国では40%前後に達する地域もあります。後述する解剖学的理由から、足裏の前方中央部へ強い荷重がかかりやすい骨格的特徴を有しています。
母趾から第3趾あたりまでの長さがほぼ等しく、横一列に揃ったスクエア型(ローマ型)は、日本人全体の約5%程度と希少なタイプです。つま先の幅が広く角張っているため、市販の靴で指先が横から圧迫されやすく、魚の目やタコを多発しやすい傾向が見られます。