「この局面で数千万円、一億円超の借金を背負うなんて正気とは思えない」――ネット上のコミュニティやSNSでこのような声が噴出する背景には、歴史的な「物件価格の超高騰」と「住宅ローン金利の上昇懸念」という二重苦が同時に進行している事実があります。
不動産コンサルタントの沖有人氏をはじめとする業界の有識者も指摘するように、過去10年間の住宅バブルを支えてきたのは、日銀による超低金利政策でした。「利息がほぼゼロなのだから、賃貸で家賃を捨てるより買ったほうが得」という論理がまかり通っていたわけです。しかし、日銀が利上げにかじを切ったことで、その前提は完全に崩れ去りつつあります。
現在、大手都市銀行の短期プライムレート引き上げに伴い、住宅ローン利用者の約7割以上が選択している変動金利にも本格的な上昇圧力がかかっています。物件価格が割安な時期であれば金利上昇を元本の少なさで吸収できましたが、価格が天井圏にある現在、わずかな金利上昇が毎月の返済額と総返済額に致命的な打撃を与えます。市場を冷静に観察している層から見れば、ピークアウト寸前の最高値でレバレッジをかけて買い向かう姿が「信じられない無謀な賭け」に映るのが、この言説の根本的な真相です。