地方公務員である消防士の給与水準は、行政職(市役所などの一般事務職)と比較して高めに設定されています。これは「公安職俸給表」が適用されていることに加え、過酷な現場活動に対する各種手当が手厚く支給されるためです。
総務省が公表する「地方公務員給与実態調査」などの公式データをもとに、年齢別・階級別の年収相場と手当構造を精緻に比較分析しました。
消防士のキャリアと給与を大きく左右するのが「階級制度」と「昇任試験」です。階級は消防士から始まり、消防副士長、消防士長、消防司令補、消防司令、消防司令長、消防監へと上がっていきます。年功序列の側面を残しつつも、昇任には毎年実施される筆記試験・実務試験・面接を勝ち抜く必要があります。
非番や休日を削って法令や消防戦術の勉強に励み、早期に消防士長・消防司令補へと昇任した隊員は、30代前半でも年収650万円を超えていきます。一方で、現場のスペシャリストとして現場隊員に留まる道を選ぶ場合、昇給カーブは緩やかになります。給料の「高さ」の裏には、過酷な夜間労働と昇任競争の現実が存在します。