第一級アルコールとは?酸化反応の仕組みと構造決定の鉄則をプロが徹底解説

第一級アルコールとは?酸化反応の仕組みと構造決定の鉄則をプロが徹底解説

第一級アルコールとは?酸化反応の仕組みと構造決定の鉄則をプロが徹底解説に関する気になる情報を徹底的にまとめました。要点を確実におさえることができます。

酸化反応の可否を分ける核心は、「α炭素上に引き抜くことができる水素原子が存在するかどうか」に尽きます。

脱水素によるカルボニル基(C=O)の形成には、-OH基の水素だけでなく、ヒドロキシ基が直結している炭素に結合した水素原子(α水素)が必須です。第一級アルコールにはこの水素が2個、第二級アルコールには1個残されているため、穏やかな酸化条件下でそれぞれアルデヒドやケトンを形成できます。

しかし、第三級アルコールでは、α炭素の残り3つの結合手がすべて炭素原子で塞がれており、α水素が1つも存在しません。C-H結合の解離エネルギーに比べてC-C結合を切断するには遥かに膨大なエネルギーを要するため、二クロム酸カリウムなどの通常の酸化剤を用いても、常温・穏やかな加熱環境では脱水素が起こり得ません。

なお、強熱下で濃硫酸などの脱水触媒を併用したり、過酷な条件下で強力な酸化剤を作用させたりした場合には、脱水反応を経てアルケンが生成した後に炭素骨格そのものが切断(C-C結合の開裂)されてカルボン酸や二酸化炭素に分解することはありますが、これは高校化学や一般的な構造決定で定義される「温和な酸化反応」とは明確に区別されます。

山田 真由
著者

山田 真由

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。