剣道を始めたばかりの選手や保護者の間で頻繁に見受けられる誤解が、「関東大会で優勝すれば全国中学校剣道大会(全中)の切符が手に入る」という認識です。しかし、中体連の大会構造において、これは厳密には正しくありません。
全日本中学校剣道大会(全中)への出場権は、各都県で開催される「都県総合体育大会(総体)」の優勝校(および開催地枠や規定枠)に与えられるのが原則です。一方、関東中学校剣道大会は、各都県の総体で上位に進出した複数校(各都県4校〜上位枠)が集い、ブロックナンバーワンを決める独立した名誉ある大会です。
したがって、「全中出場を決めた学校が、全国制覇への前哨戦として関東大会に臨む」ケースもあれば、「全中予選では惜しくも敗退したが、関東大会で雪辱を期す」という学校も混在します。この複雑なモチベーションの差異が、関東大会ならではの波乱のトーナメントを生む土壌となっているのです。全中出場を決めて肩の力が抜けたチームと、中学最後の公式戦として関東のタイトルに執念を燃やすチームの激突は、時に番狂わせと呼ばれる劇的な幕切れを演出します。