華々しい戦績の裏で、部員たちが直面する日常は極めて過酷です。男子55名、女子33名という大所帯において、インカレや関東学生リーグの団体戦に出場できる枠は限られています。高校時代に地元で「無敗のエース」と呼ばれた選手であっても、入部早々に球威や打球スピード、試合巧者ぶりで圧倒され、ベンチ入りすら容易ではない現実に直面します。
しかし、部内取材やOB・OGの証言によれば、日体大ソフトテニス部には「控えメンバーの腐敗を防ぐ強固な文化」が存在します。試合に出られない期間のサポート業務、対戦相手のスカウティング分析、審判や運営への積極的関与が部員間で正当に評価される仕組みが整っています。日体大ソフトテニス部の女子部員・男子部員が一体となってスタンドから送る応援の迫力は学生界屈指であり、全員がチームの勝利に自分自身の存在意義を見出す構造ができています。
出口戦略である日体大ソフトテニス部の卒業後進路は、競技継続と社会進出の両面で極めて強固です。競技を続けるトップ選手は、NTT西日本、ヨネックス、太平洋工業、ワタキューセイモアなどの実業団トップチームへ進み、全日本総合選手権や日本代表の舞台で活躍を続けます。一方で体育大学としての強みを活かし、保健体育科の教員免許を取得して全国の高校・中学校に指導者として着任する部員も多数存在します。全国に散らばった日体大OB・OGの指導者ネットワークが、再び有望な高校生を日体大へ送り出すという好循環が半世紀以上にわたって機能しています。