海外の熱帯雨林や砂漠に目を向けずとも、日本国内の身近な環境にも背筋を凍らせる奇怪な虫たちが生息しています。日本に生息する奇怪な虫一覧として、代表的な3種を取り上げます。
- オオゲジ(Thereuopoda clunifera):本州から南西諸島に分布。体長40〜50ミリメートルだが、異常に長い15対の脚を広げると100ミリメートルを超える。屋内の壁面を滑空するように疾走する。
- オオトビズムカデ(Scolopendra mutilans):体長150ミリメートルに達する大型ムカデ。毒顎を持ち、咬まれると激しい腫れと疼痛を引き起こす。
- カマドウマ(Rhaphidophoridae科):暗く湿った床下や洞窟に生息。太い後脚で不規則に飛び跳ねる姿から「便所コオロギ」とも呼ばれる。
なかでも議論が絶えないのが、オオゲジは益虫か害虫かの真相です。住宅の壁に張り付いているのを発見した住民が絶叫し、殺虫剤を噴霧する光景は日常茶飯事ですが、害虫駆除の専門家や衛生動物学者の見解は一致しています。オオゲジは「究極の益虫」です。
オオゲジは視覚的に人間を不快にさせる「不快害虫」に分類されますが、人間を咬むことは滅多になく、病原菌を媒介することもありません。それどころか、屋内に潜むクロゴキブリ、チャバネゴキブリ、シロアリ、ダニ、トコジラミを捕食する天敵です。長い脚を器用に使って同時に複数の獲物を押さえ込み、目にも止まらぬスピードで捕食し尽くします。屋内でオオゲジを見かけるということは、その家屋にオオゲジの餌となるゴキブリや害虫が多数潜んでいる証拠に他なりません。
さらに近年、温暖化と物流のグローバル化を背景に、巨大奇虫の目撃情報と最新動向が都市部でも話題を集めています。南西諸島にしか生息していなかったオオゲジの北上傾向や、本来は山林や洞窟に潜む大型節足動物がヒートアイランド現象によって都心の地下鉄構内やマンション地下駐車場で発見されるケースが報告されています。しかし、これらは外来種による侵略ではなく、大半は日本古来の在来種が生息域を微修正しているに過ぎません。