最期を過ごす場所の選定は、本人にとっての安らぎだけでなく、見守る家族の生活にも直結する。選択肢は主に「住み慣れた自宅での在宅看取り」と「緩和ケア病棟(ホスピス)」に分かれる。
在宅看取りでは、訪問診療医や訪問看護ステーション、介護福祉士が連携する24時間体制の在宅緩和ケアが普及している。しかし、在宅看取りにおける家族の負担(夜間の見守り、オムツ交換、呼吸変化への不安など)が重くのしかかるのも事実だ。レスパイト入院(一時的な施設受け入れ)などを柔軟に活用し、家族が孤立しないチーム医療の活用が鍵となる。
一方、ホスピス(緩和ケア病棟)の費用実態については、公的医療保険が適用されるため、高額療養費制度を利用すれば一般的な所得層で月額約8万〜10万円前後の自己負担に収まるケースが多い。ただし、個室を選択した際の「差額ベッド代(1日あたり数千円〜数万円)」や食事代は保険適用外となるため、事前の資金計画と病院選びが不可欠となる。