「ディズニーのファストパスは今どうなっているのか」という疑問に対する端的な答えは、「紙のファストパスは公式に完全終了した」となります。2000年代初頭から約20年間にわたりパークの定番だった無料優先搭乗券サービスは、時代の変化とともに役目を終えました。
アトラクション前にズラリと並んでいた特徴的なファストパス発券機はすでに全台撤去、あるいはカバーで覆われてモニュメント化や別用途への改修が完了しています。かつてのようにパーク開園と同時に目当てのアトラクション発券機へ走る光景は、現在のディズニーリゾートには存在しません。
ファストパスが廃止された背景には、主に3つの理由があります。第1に、スマートフォン普及に伴うパーク全体のデジタル化(DX推進)です。紙の発券・管理コストを削減し、ゲストが園内のどこにいてもパスを取得できる環境が整いました。第2に、混雑緩和と待ち列の最適化です。紙のパスでは難しかったリアルタイムの混雑制御が、サーバー集中管理によって高精度に行えるようになりました。そして第3に、無料サービスだけでなく、確実な体験価値を有料で提供する「ディズニー・プレミアアクセス(DPA)」の導入による収益構造の刷新が挙げられます。