現在でこそ世界的に評価される名優となった田中泯ですが、その若い頃の経歴は極めて前衛的かつ過酷なものでした。幼少期からクラシックバレエやモダンダンスを学びながらも、既存の劇場空間や振付の様式に強い違和感を抱き、1970年代には「ハイパーダンス」と銘打って、服を脱ぎ捨て裸身ひとつで路上やギャラリーに立つ独自の表現を切り拓きました。
2002年の映画『たそがれ清兵衛』で57歳にして映像の世界へ進出し、日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞して以降、名だたる映画監督やプロデューサーから熱烈なオファーを受け続けています。80代となった現在も、映画やドラマの撮影現場と白州の畑を往復する日々を送り、土に触れながら自らの身体性を更新し続けています。