東京の地下を網の目のように結ぶ地下鉄ネットワークの歴史と最先端技術を、五感で学べるのがメトロ博物館の最大の魅力です。1986年の開館以来、公益財団法人メトロ文化財団が運営を手がけており、利益追求型のアミューズメント施設とは一線を画す公共性の高い教育・展示空間が保たれています。
施設内でひときわ高い熱気を帯びているのが、実物と同じ操作機器を備えた運転シミュレーターコーナーです。館内には千代田線、有楽町線、銀座線、東西線を模した複数のシミュレーターが設置されており、なかでも千代田線シミュレーターは車体が走行時のカーブや加減速に合わせて油圧で実際に揺れる本格仕様となっています。プロの運転士が養成課程で受ける訓練さながらの臨場感を、追加料金なしで体験できる点が来館者の心を掴んで離しません。
運転シミュレーターの体験システムは、現地の列に並んで順番を待つ方式が基本です。混雑する土日祝日や長期休暇期間には1回あたりの運転区間が短縮調整され、多くの来館者が体験できるよう配慮されています。待ち時間を最小限に抑えたい場合は、午前の開館直後(10:00〜10:30)か、昼食時で人の流れが一時的に緩む12:30〜13:30前後を狙うのが現場取材から導き出されたセオリーです。