検索窓に「チューリップ 歌手 死亡」という不穏なサジェストが表示されると、多くの人が「フロントマンの誰かに不幸があったのではないか」と直感してしまうのも無理はありません。しかし、バンドの中核を担ってきたボーカリストたちは今も健やかに人生を歩んでいます。
火のない所に煙は立たないと言われるように、この誤った噂が定着してしまった背景には、主に3つの明確な要因が存在します。
第1の要因は、バンドの初期サウンドを支えたギタリスト・安部俊幸氏の訃報です。2014年に海外で急逝したニュースが当時大きく報じられ、「チューリップのメンバー死去」という事実が時を経て「歌手の死亡」へと曖昧に変換されて拡散しました。
第2の要因は、リーダーである財津和夫氏の過去の病気療養報道です。財津氏はかつて腸閉塞や下部直腸がん(大腸がん)を患い、全国ツアーを途中で中止して治療に専念した時期がありました。大病を報じるセンセーショナルな見出しが独り歩きし、一部で生死を心配する声が過熱した経緯があります。
第3の要因は、バンドとしてのラストツアー開催です。半世紀に及ぶ活動に一区切りをつける大規模ツアーが行われたことで、「活動休止=体調の限界=訃報」という短絡的な憶測を結びつけてしまうネットユーザーが散見されました。