痩せ型の代謝異常は、一般的な健康診断の「空腹時血糖値」や「BMI」の数値だけでは正常と判定されてしまうケースが珍しくありません。空腹時にはなんとか正常値を保てていても、食後の血糖値が跳ね上がっている「隠れ肥満による血糖値スパイク」が水面下で進行しているためです。
同時に警戒すべき病態が、お酒を飲まない痩せ型の人にも急増している脂肪肝(MASLD/旧NAFLD)です。内臓脂肪や脂肪肝が痩せ型でも蓄積するのは、前述した異所性脂肪が肝臓の細胞に直接入り込むためです。肝臓に脂肪が蓄積すると、肝臓自体のインスリン感受性が著しく低下し、本来インスリンによって抑制されるはずの「肝臓からの糖新生(糖の放出)」が止まらなくなります。
結果として、何も食べていない状態でも肝臓から血液中へ勝手に糖が供給され続け、慢性的かつ不可逆的な高血糖状態へと追い込まれていきます。腹囲が細くても腹部超音波検査で肝臓の白っぽさ(脂肪化)を指摘されたり、血液検査のALT(GPT)値がじわじわと上昇している場合は、すでに重大なシグナルが灯っています。