アニメーションの世界においても、彼の存在感は唯一無二だ。代表作の一つである『北斗の拳』のトキ役では、激動の世紀末を生きる聖者の如き静謐さと、北斗神拳の達人としての強靭さを同居させた。
病に侵されながらも他者を救い続けるトキの言葉には、澄み渡るような優しさと、揺るぎない覚悟が宿っていた。一方で、偽者であるアミバを演じた際の狂気と軽薄さの見事な演じ分けは、彼の役者としての振り幅の広さを証明している。「静」のトキと「狂」のアミバ。対極にある二つの魂を同一の作品内で描き切る表現力は、当時の視聴者に強烈なインパクトを与えた。