発酵愛好家が最も恐れるのが「これって身体に害のある白カビではないのか?」という疑念です。両者は白さを帯びている点こそ似ていますが、生物学的分類も人体への危険度も完全に異なります。
決定的な識別ポイントは「質感」と「広がり方」にあります。産膜酵母は液体や湿った表面にピタッと張り付く平坦な皮膜、あるいは粉をふいたような質感を見せます。一方で白カビは糸状菌と呼ばれる菌類であり、胞子を飛ばすために空中へ向かってフワフワとした立体的な綿毛(菌糸)を伸ばすのが特徴です。
産膜酵母と白カビの違いを冷静に観察すれば、危険な状況か否かは明白です。もし表面にフワフワとした毛のような立体物が見られたり、青・黒・黄色といった色素が混ざり合っている場合は、カビ毒(マイコトキシン)のリスクを考慮して患部を深めに除去するか、状態によっては全廃棄を選択しなければなりません。