コストコの強固なビジネスモデルの根底には、創業者ジェームス・シネガルが築き上げた厳格な経営哲学が存在する。「商品の粗利率を14〜15%以内に抑える」という鉄の規則は、株主利益の追求よりも顧客への価値還元を最優先する姿勢の表れだ。どれほど人気の高い商品であっても、無駄な上乗せ利益を取らない透明性が顧客との強い信頼関係を育んできた。
その遺志を受け継いだ現CEOのロン・バクリースも、現場叩き上げのキャリアを生かした徹底的な顧客目線の経営方針を維持している。世界的なサプライチェーンの混乱やインフレの波が押し寄せるなかでも、無駄な装飾を排した店舗レイアウトや効率的な物流ネットワークを守り抜き、創業者から引き継いだ「最高品質を最低価格で」という約束を果たし続けている。