グローバルな自動車産業は現在、排ガス基準の強化と電動化に伴う製造コストの高騰という重い課題に見舞われている。欧州自動車工業会(ACEA)の会長を務めたルカ・デメオ氏をはじめとする業界首脳陣は、過度な環境規制が安価なエントリーモデルの市場消滅を招きかねないと危機感をあらわにしてきた。
先進の運転支援システムや車載カメラ、自動緊急ブレーキといった安全装備の標準化に加え、バッテリーやモーターの搭載は車両価格をダイレクトに押し上げる。かつて1万ユーロ前後で購入できたエントリーカーが価格上昇を余儀なくされている現状は、若年層や低所得層の移動の自由を奪う社会的波紋すら広げている。