小浜フィッシャーマンズワーフを訪れるべき最大の理由は、ここが「若狭湾のダイナミックな景観体験」と「鯖街道の起点としての食文化体験」をワンストップで完結できる唯一無二の複合拠点だからです。港町の風情が色濃く残る小浜市川崎地区に位置し、眼前に広がるリアス海岸のパノラマを五感で楽しむための設備が集約されています。
かつて朝廷に海の幸を献上した「御食国(みけつくに)」小浜の歴史的背景を受け継ぎ、館内には朝獲れの鮮魚が並ぶ市場エリア、地場産食材を味わえる食事処、特産品が勢ぞろいする物販エリアが広がっています。周辺の小規模な道の駅や海鮮食堂と大きく異なるのは、沖合約16キロメートルに及ぶ奇勝「蘇洞門(そとも)」へのクルーズ船が直接発着するターミナル機能を併せ持っている点です。「ただ食事をして買い物をするだけ」の施設と考えて訪れると、そのスケール感と体験価値の広さに驚かされることになります。
一方で、事前準備を怠ると手痛いタイムロスを被る施設でもあります。遊覧船の発着スケジュールと館内レストランのランチピークが重なる時間帯はフロア全体が極めて過密な状態となり、目的の食事や乗船を十分に楽しめないケースが散見されます。訪問の成否は、施設が持つ二大要素(クルーズとグルメ)の特性をあらかじめ把握しているかどうかにかかっています。