1903年、ミルウォーキーの小さな掘っ立て小屋。すべての物語は、創業者のひとりであるウィリアム・S・ハーレー(William S. Harley)が手掛けた小さなエンジン設計図から始まった。風雨に耐え、泥を跳ね上げながら未知の道を切り拓くためのギア——その原初的な要求こそが、ウェアづくりの原点だ。
ディスカバリーチャンネルで大きな反響を呼んだドラマ『ハーレー&ダビッズン』でも生々しく描かれていたように、彼らの挑戦は常に過酷な現実との戦いだった。壊れないこと。命を守ること。そして、何よりもタフであること。
ハーレーダビッドソン社(Harley-Davidson, Inc.)が今日まで受け継いできたその哲学は、ボタンひとつの強度、ステッチの一針一針にまで脈々と息づいている。使い込むほどに持ち主の身体に馴染み、擦れや傷さえもかけがえのない風合いへと昇華する服。それは大量消費の時代に対する、静かで力強い回答でもある。