児童養護施設とは?入所理由と生活実態、退所後の現実まで全解説

児童養護施設とは?入所理由と生活実態、退所後の現実まで全解説

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児童養護施設を語る上で避けて通れない最大の難所が、措置解除に伴う自立の壁です。「児童養護施設には何歳までいられるのか」という問いに対し、従前の制度では「原則18歳(高校卒業時)、措置延長が認められても最長22歳まで」と厳格に線引きされていました。 親からの金銭的・心理的バックアップが望めない中、高校卒業と同時に一人暮らしを強いられ、家賃、光熱費、食費のすべてを自身の稼ぎだけで賄わなければならない過酷な環境は、児童養護施設 退所後の現実として長年問題視されてきました。 文部科学省等の調査データを参照すると、全高校生の大学・短大等への進学率が60%を超え、専門学校等を含めた高等教育への進学率が80%台に達する中、施設出身者の大学等進学率は長らく10%〜20%台に低迷していました。近年は給付型奨学金の拡充や民間支援団体の助成制度によって進学率そのものは35%〜40%前後まで上昇しているものの、依然として一般家庭との格差は歴然としています。

項目施設退所児童のデータ全国平均(全高校生)現場のリアルな分析高等教育進学率約35〜40%前後約80%超(専門学校等含む)学費無償化枠があっても生活費の自己負担が重く進学を断念するケースが多い主な就職先製造業、建設、介護、飲食・サービス事務、IT、各種サービス等多岐社員寮や住み込みが可能な企業を選択せざるを得ない住居事情が影響就職後の離職率(早期)3年以内離職が約40〜50%高卒3年以内約35〜40%相談相手の欠如、心身の不調、人間関係のこじれによる離職から困窮に直結しやすい

この「18歳の崖」に対し、法制面でも改革が断行されました。改正された児童福祉法における自立支援制度の全面適用に伴い、機械的な「年齢制限による一律の退所」は撤廃されました。都道府県等の判断により、自立に向けた支援が必要と認められる若者に対しては、22歳を超えても住まいの提供や生活相談といった伴走支援を継続できる枠組みが法的に位置づけられています。 しかし、制度が整っても現場のインフラや担当ソーシャルワーカーのリソース不足により、すべての退所者が漏れなく手厚い支援を受け続けられているとは言い難いのが偽らざる現状です。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。