物語初期のライナー・ブラウンは、第104期訓練兵団において次席の成績を誇り、誰もが頼りにする「兄貴分」として存在感を示していました。高い統率力と仲間思いの行動力は、過酷な訓練に身を置く少年少女たちにとって精神的支柱そのものでした。しかし、その頼もしい姿の裏には、壁内人類を震撼させた「鎧の巨人」という残酷な正体が隠されていました。
ライナーはマーレ国のエルディア人収容区で生まれ、名誉マーレ人の称号と家族の安定を求め、「マーレの戦士」候補生として厳しい軍事教練を勝ち抜いた過去を持ちます。ベルトルト・フーバー(超大型巨人)、アニ・レオンハート(女型の巨人)、そしてマルセル・ガリアードと共に「始祖の巨人奪還作戦」の実行部隊としてパラディ島へ潜入。シガンシナ区の扉を打ち破り、数万人の命を奪う契機を作った張本人でした。
アニメ史・漫画史に刻まれる第31話(原作第42話)の告白シーンは、劇的な演出を排した日常会話のトーンで描かれました。「俺が鎧の巨人で、こいつが超大型巨人ってやつだ」という淡々とした告白は、彼の精神がすでに限界点に達していた事実を如実に物語っています。仲間を裏切るスパイとしての重圧と、任務を果たさなければ祖国の母が処刑されるという板挟みが、彼の人生を決定的に狂わせていきました。