五輪メダリストの子供と聞くと「同じ競技でオリンピックを目指しているのではないか」と期待されるのが世の常です。しかし、娘たちがアーティスティックスイミング(旧シンクロナイズドスイミング)の強化選手として日本選手権やジュニア五輪に出場した記録はありません。
過去のインタビューや子育てに関する手記の中で、小谷氏は競技との関わりについて率直な想いを明かしています。
「水泳自体は基礎体力づくりや命を守るスキルとして幼少期から親しませたものの、シンクロの道へ進むことを親から勧めたことは一度もなかった」と述懐しています。過酷を極める採点競技の世界を誰よりも知る母だからこそ、自らの成功体験を娘に押し付ける危険性を強く意識していました。
娘たちは水泳や球技、アート、語学など、それぞれの興味関心に基づいたクラブ活動や趣味を楽しみ、母の競技実績とは切り離された独自のアイデンティティを確立していきました。