ファンの間で定期的に実施されるウルトラマン 怖い回 ランキングにおいて、第12話「ミイラの叫び」は、第2話のバルタン星人、第23話のジャミラ、第30話のケロニアなどと並び、必ず上位に選出される常連エピソードです。子ども向け番組でありながら、なぜここまで視聴者の心に深い恐怖を刻みつけたのでしょうか。
最大の要因は、本エピソードの監督・特殊技術を務めた円谷一(つぶらや・はじめ)監督による徹底した本格サスペンス・ホラー演出にあります。暗闇の実験室で包帯の間から覗く見開かれた瞳、一切の瞬きをしない生気のない表情、そして耳を劈くような不気味なミイラ人間の鳴き声(甲高い呻き声と金属音の混ざり合った独特のSE)が、閉鎖空間での心理的恐怖を極限まで高めていました。
さらに、怪獣映画特有の「都市を破壊する巨大な脅威」が現れる前段階として、「等身大の怪人が忍び寄り人間を直接手にかける」という日常侵食型の恐怖構造が取られていたことも、子どもたちにとって逃げ場のないリアリティをもたらした決定打といえます。