本作の魅力を語る上で欠かせないのが、複雑に絡み合いながらも温かい絆で結ばれた登場人物たちの存在です。メインカップルを取り巻く周囲のキャラクターが物語に深い厚みを与えています。
ヒロインの若梅さほ子は、実家の定食屋を手伝う高校生。過去のトラウマから極度の面食い嫌い・イケメン恐怖症であり、自分の容姿に強い劣等感を抱いていました。しかし、裏表のない純粋さと芯の強さを持ち、それがやがて皇太の凍りついた心を溶かす決定打となります。
対する桐ヶ谷皇太は、人気絶頂のアイドルグループ「LiL-c」のセンターを務める完璧な美男子。世間からは完璧なアイドルとして崇拝される一方、プライベートでは自分を「商品」ではなく「一人の人間」として見てくれる存在に飢えていました。定食屋で偶然出会ったさほ子の飾らない態度に衝撃を受け、猛烈なアプローチを開始します。
また、脇を固めるサブキャラクターたちも非常に魅力的です。さほ子の親友で熱狂的なアイドルオタクの遊馬えみかは、読者の代弁者としてコミカルなリアクションを見せつつ、さほ子の最大の理解者として的確な助言を与え続けます。さらに、皇太と同じグループのメンバーである葉山叶翔をはじめとするLiL-cの仲間たちも、当初は皇太のスキャンダルを危惧しながらも、次第に二人の真剣な姿勢を認め、温かく見守る強力な味方となっていきます。