本作のメガホンを取ったのは、『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』(1994年)や『未成年』(1995年)などで社会派青春ドラマの金字塔を打ち立てていたプロデューサー・伊藤一尋と脚本家・小松江里子の黄金コンビです。繊細な少年の心理描写と過激な社会風刺を融合させた世界観は、当時の若者層のみならず親世代の間でも凄まじい議論を巻き起こしました。
物語の軸となるあらすじと人物相関図は、徹底した「対比」によって構築されています。堂本剛が演じる相沢武司は、母を亡くし、酒に溺れて暴力を振るう父・浩介(根津甚八)と幼い弟妹を養うため、過酷なアルバイトに明け暮れる極貧の高校生。一方、堂本光一が演じる藤木甲斐は、大病院の院長(宅麻伸)を父に持ち、裕福で何不自由ないエリート家庭に育ちながらも、父親からの冷酷な期待とプレッシャーに息苦しさを抱えています。
通う名門私立高校で出会った正反対の二人は、反発し合いながらも次第に互いの孤独を理解し、無二の親友となっていきます。しかし、甲斐の幼馴染であるヒロイン・水野香織(奥菜恵)を交えた切ない三角関係や、親同士の過去に秘められた愛憎と出生の疑惑が浮き彫りになるにつれ、純粋だった友情は逃れられない破滅の渦へと飲み込まれていくのです。