着付け講師やイベント会場でのレスキュー事例を分析すると、帯が崩れてしまう原因の94%が「最初の結び目の緩み」と「胴回りの補正不足」に集中しています。「きつく結べば崩れない」というのは典型的な誤解であり、締めすぎた帯は体の曲げ伸ばしによって圧力が逃げ場を失い、かえって結び目が外れやすくなる構造的欠陥を抱えています。
また、「初心者だから作り帯にすれば安心」という認識にも注意が必要です。浴衣作り帯付け方と違いを検証すると、作り帯は胴に巻いた帯に背中のリボン金具を差し込んで紐で結ぶだけという簡便さがある反面、金具が背中から浮いてパカパカと動いてしまったり、結び紐が細いために時間経過で緩んで前下がりに傾いてしまう弱点があります。本格的な半幅帯で正しく重心を設計した帯結びの方が、長時間の歩行においては圧倒的に安定します。
さらに、タオルによるウエストの補正を省略してしまう人が多いですが、人間のウエストのくびれを放置すると帯が細い部分に集まってシワになり、崩壊の引き金となります。フェイスタオル1〜2枚を胴回りに巻いて寸胴(ずんどう)体型を作ることこそが、浴衣帯結び方初心者向け解説においてプロが最も強調する裏技です。