ネット上の情報やSNS動画には、「誰でも肩幅が5cm縮む」「骨を動かして肩幅を削る」といった誇大広告とも言える誤った言説が散見されます。正しい知識を持たずに極端なケアを行うと、思わぬトラブルを招きかねません。
最大の誤解は、「成人後に骨格(鎖骨や肩甲骨そのものの長さ)を縮小できる」という思い込みです。外科的な骨切り手術を行わない限り、成人した骨の長さ自体を変えることは医学的に不可能です。しかし、「関節のニュートラルポジションへの復帰」と「筋肉の緊張緩和」によって、見た目の印象幅を2〜4cm程度縮小させることは十分に可能です。
また、もうひとつの落とし穴は「過度な僧帽筋ボトックスへの依存」です。僧帽筋上部の盛り上がりを抑えて首を細く見せる効果で人気の施術ですが、デスクワークなどで首を支える筋力が低下している人が高用量を注入すると、「頭が重くて支えられない」「激しい肩こりや腕の脱力感が生じる」といった機能低下を引き起こすリスクがあります。筋肉の過緊張が原因でない骨格タイプに対しては効果が薄いため、事前の丁寧な診察が欠かせません。