大正時代から昭和初期にかけて、大阪の船場(せんば)の花街で商人や芸者たちが商売繁盛を祈願して食べたのが始まりという説が有力です。当時は「丸かぶり寿司」や「太巻き寿司」と呼ばれていました。節分の夜に、その年の恵方を向いて無言で丸かじりする。このユニークな行為が、限られた地域でのみひっそりと行われていたのです。
しかし、当時の資料は極めて乏しく、戦後の混乱期に一度この風習は途絶えかけました。それを復活させたのは、昭和40年代の大阪海苔問屋協同組合による販促キャンペーンでした。そう、最初から「仕掛けられたイベント」としての側面が強かったのです。