わだちに足を取られてスリップ事故を起こしたり、他車と接触した場合の法的責任について理解しておくことも重要です。
自動車事故における過失割合の算定基準(判例タイムズ等)では、たとえ路面に深いわだちや水たまりが存在していたとしても、原則として運転者側に課される「道路交通法第70条(安全運転義務)」が優先されます。路面状況に応じた安全な速度と注意義務を怠ったとみなされるため、単独事故であれば運転者の過失は100%となり、他車との接触でもわだちを理由に自己の過失割合が大幅に軽減されるケースは極めて稀です。
また、「道路に危険なわだち掘れを放置していた道路管理者(国や地方自治体)に損害賠償を請求できないのか」という疑問についてですが、国家賠償法第2条(公の営造物の設置・管理の瑕疵)に基づく請求は極めてハードルが高いのが現実です。過去の判例において、道路管理者側のパトロール体制や予算の制約、降雪直後の不可抗力性が考慮され、道路の欠陥と事故との直接的な因果関係および管理の不備が厳格に立証されない限り、管理瑕疵は認められにくい構造になっています。
自身の車両損害をカバーするためには、一般型の車両保険への加入が実質的な防衛策となります。自損事故や単独のスリップによるアンダーカバーの破損、足回りの損傷も、補償範囲に含まれているかを事前に約款で確認しておく必要があります。