山城新伍さんの晩年を語る上で、世間に最も強い衝撃を与えたのが「家族との完全な絶縁」でした。1966年に女優の花園とよみ(花園ひろみ)さんと結婚し、長女で後に女優となる南夕花さんが誕生。しかし、山城さんの女性問題や金銭感覚のズレが原因で一度離婚します。その後、娘の成長を願って復縁・再婚を果たしたものの、再び家庭内不和が生じて二度目の離婚に至りました。
この二度の破局を通じて、元妻と娘は山城さんに対して決定的な不信感を抱くことになります。家庭を顧みない奔放な私生活、家族に無断での多額の借金や保証人問題、さらには家庭内での独善的な言動が重なり、母娘は山城さんとの接触を完全に断つ道を選びました。
山城さんが病に倒れ、老人ホームで闘病生活を送っている間も、元妻と娘が面会に訪れることは一度もありませんでした。そして2009年8月の死去に際しても、身元引受や葬儀の執り行いを親族側が拒否。最終的に所属事務所関係者や友人たちの手によって「密葬」が執り行われ、祭壇に元妻や娘の姿はありませんでした。昭和の大家族観や血縁神話を打ち砕くこの断絶劇は、芸能界の内外に深い問いを投げかけました。