筋トレ用マウスピースの真相|効果と歯の保護、市販と歯科の違いを検証

筋トレ用マウスピースの真相|効果と歯の保護、市販と歯科の違いを検証

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一方で、インターネット上や一部のパーソナルジム現場では「筋トレにマウスピースは必要ない」「顎の筋肉ばかり発達してゴリラのような顔立ちになってしまう」といった否定的な言説が散見されます。かつて地方のトレーニングジムの指導者ブログなどで提起されたこの懸念は、果たして解剖学的に真実なのでしょうか。

歯科医師およびスポーツトレーナーへの取材によると、この「エラ張り説」には半分の事実と重大な誤認が含まれています。マウスピースの厚みが不適切であったり、噛み合わせのバランスが著しく狂っている製品を使い続けると、咀嚼筋の一つである「咬筋(こうきん)」へ偏った負荷がかかり続け、筋肉痛や筋肥大を招くリスクは否定できません。しかし、これは「マウスピースを装着したこと」自体が原因ではなく、「不適合なマウスピースによる偏咀嚼」が招いた結果です。

骨格に適合した適正な厚みのガードを装着していれば、咬合圧は歯列全体へと均等に分散され、局所的な咬筋への過負荷はむしろ軽減されます。「ゴリラ顔になる」という極端な噂は、噛み合わせの合わない粗悪品を使ったケースや、単にトレーニング強度の上昇に伴う食いしばり癖を放置した事例が混同された都市伝説と捉えるのが妥当です。

なお、2026年現在広く普及しているマウスピース矯正(インビザライン等)の受講者が筋トレを並行するケースについても確認が必要です。矯正用アライナーは薄いポリウレタン樹脂製であり、軽度の食いしばりには耐えられますが、100kgを超えるようなベンチプレスやデッドリフトではアライナー自体が破損・変形する恐れがあります。矯正期間中にヘビーウエイトを扱う場合は、担当医にトレーニング強度を相談し、専用の保護マウスガードへの付け替えを検討するのが安全策です。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。