名高達男の生い立ちとキャリアを振り返ると、その知性とフィジカルの類まれなバランスに驚かされる。京都府京都市伏見区に生まれた彼は、金沢工業大学機械工学科を卒業した理系出身のインテリ俳優である。大学卒業後、身長183センチの恵まれた体躯と甘いマスクを活かしてトップファッションモデルとして頭角を現し、1976年にテレビドラマで本格的に俳優デビューを果たした。
若い頃の名高達男といえば、何といっても大ヒットアクションドラマ『ザ・ハングマン』シリーズである。彼が演じた「タケ(植木健)」は、スマートなスーツを着こなしながら激しいアクションをこなすアンチヒーローとして熱狂的な支持を集めた。時代劇『暴れん坊将軍』や大河ドラマ、サスペンスドラマの主役から重厚な悪役まで幅広く演じ分け、昭和から平成のエンタメ界に欠かせない存在へと駆け上がった。
俳優活動の中で注目されたのが、改名の経緯である。デビュー以来「名高達男」として親しまれていたが、1990年代後半に占い師の助言や運気刷新を理由に芸名を「名高達郎」へと改名した。約8年間にわたり達郎名義で活動を続けたものの、2006年、55歳の節目を迎えた際に再び本名でもある「名高達男」へと復名している。「街で声をかけられる時も、業界の旧友からもずっと『達男』と呼ばれ続けていた。原点に戻り、自分の本名でもう一度勝負したい」という本人の強い意志による決断だった。