アガサ・クリスティの冷徹な決断力が最も鮮烈に描かれたのが、劇場版『文スト DEAD APPLE 登場シーン』です。ヨコハマで澁澤龍彦の引き起こした「異能者を自殺させる霧」が世界へ拡散することを阻止するため、彼女は内務省異能特務課に対し、「焼却の異能力者を派遣した。30分後、夜明けと共にヨコハマを焼き尽くす」と宣告しました。
日本側の思惑や数百万の市民の生命を一顧だにせず、地球規模の危機管理を優先して切り捨てるその姿は、視聴者に強烈な戦慄を与えました。最終的に中島敦や芥川龍之介、泉鏡花らの死闘によって霧が収束した際も、優雅に紅茶のカップを置きながら事態の収束を冷静に見届けています。この場面で見せた声優・坂本真綾による気品と冷酷さを同居させた声音の演技は、キャラクターの底知れない格調高さを完璧に具現化していました。
一方、文スト アガサ 原作登場回としては、コミックス12巻第50話が歴史的な転換点です。組合戦が終結した直後、フィッツジェラルド、ドストエフスキー、そしてアガサの三者が通信モニターを介して会談する場面で初登場を果たしました。現在進行形の物語において、文豪ストレイドッグス アガサクリスティ 現在の立ち位置は、天人五衰の引き起こした世界規模の動乱を静観しつつ、欧州戦線における自国の利益と世界の再編を見定めている段階にあります。